08/06/2026
国立がん研究センター東病院に勤務する平成25年卒の矢嶋習吾です。このたび、当教室のデータサイエンス勉強会で取り組んでまいりました研究成果が、International Journal of Urology誌に掲載されましたのでご報告いたします。
本研究は、一次治療として免疫チェックポイント阻害薬併用療法を受けた転移性腎細胞癌151例を対象とした多施設後ろ向き研究です。炎症性バイオマーカーであるNLRとCRPを、従来のように特定のカットオフ値で二値化するのではなく連続変数として捉え直すことで、二値化に伴う情報損失を避け、予後情報を保持したまま評価することを試みました。
その結果、NLRの予後への関連は経過の早期においてより明瞭であり、その後は減弱する可能性が示唆されました。あくまで方法論的・探索的な検討であり、確立されたIMDCリスク分類を置き換えるものではなく、これを補完しうる視点を提供する可能性を示すものと考えております。
本研究にあたり、貴重なデータをご提供いただいた各施設の先生方、ならびにレジストリの構築・運営に携わってこられたすべての関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。末筆ながら、直接のご指導を賜りました吉田宗一郎先生、臨床統計学分野の平川晃弘先生をはじめ、貴重なご意見を賜りましたゆしま会の諸先輩方に深く感謝申し上げます。
Log-transformed inflammatory markers showed no statistically significant evidence of nonlinearity. NLR showed exploratory evidence of time-varying prognostic associations, with stronger discrimination during earlier follow-up.